2010/09/02

絵巻物

















切ったり貼ったり、紙をいじることが好きです。
いつか版画で絵巻物をつくりたいと思い、
ただいま表装の勉強をしています。
表装はおどろくほど奥が深くて、細かい作業がもりだくさんです。
紙をいじるのが好きなものとしては、ビョウキな作業にこころ満たされます。

水の加減や乾く時間を上手に扱う作業でもあります。
しょうふ糊もうすいものや濃いものを使い分けたりします。
刷毛も糊の加減にあわせて存在します。
濃い用、うすい用とか。
はじめに刷毛を水で湿らせるのですが、
プロは湿らせる時間をお天気で敏感に判断するようです。
そういう職人話を聞くのも楽しいです。
 
たまに巨匠のようなおじいちゃん(大先生?)がきて、
見本をみせてくれるのですが、
老眼のはずなのに指先はすごいのです。
ピタッとテキカクにあうのです。
指先の感覚で覚えているんでしょう。
ああいう感じ。いーなー職人わざ。

表装は、
水墨画とか日本家屋もそうだけど、
水の存在がすごーく重要で、
なにやら肌で、日本の風土の中で育まれてきたことを感じることができます。
日本は水なのですよ。
おおげさにいうと水と木でできているな。(オヤッ。なんだかカッコイイこと、、)
そうそう、軸も着物も日本家屋も、
分解してまた再生できるのもすごいところ。だな。

そして、まだまだ細かいうっとりする技が登場します。
福林定規(これの使い方感動なのだ!)というものでスジを均一につけたり、
軸のはじっこに和紙のケバケバだけをつけて補強したり、
イボタという蝋で蝋びきをして、
数珠のような道具で軸をしなやかにするために裏からなめしたり、
あげればキリがないのですが、
尺や寸にもなかなか慣れず、そんなこんなでまだまだ初心者です。